AIが普及しても公務員は生き残り続ける理由

『文明が人の仕事を奪う』

時代の変化のスパンが短い(速い)と言われる現代で、終身雇用制度の崩壊が囁かれています。

いままでは安定した職業と思われていた公務員も、もう一生安泰ではないのではないか?

しかし結論から言って、現役公務員の方が退職するくらいまでなら、生き残り続けることはできます。

様々な知見と現場の実態をみて、そう考える根拠を紹介します。

公務員が生き残り続ける理由

国民全員を公平に扱うため、古い文化も残さなければならない

行政は何をするにも遅い印象はあるかと思いますが、

それでも確定申告がスマホからできるようになったり、亀のようにゆっくり文明を享受しています。

近い将来すべての申請はネット上で完結し、わざわざ役所に出向くこともなくなるでしょう。

しかし考えてなくてはいけないのは、新しいものを使えない人の事です。

企業であれば、自社のサービスを使う顧客が満足すればいいですが、行政は違います。

高齢者や障害のある方など

目が見えない、耳が聞こえない、パソコンやスマホも持ってない方は

決して少なくありません。

例えば後期高齢者医療の窓口では、ネットは使えない、顔写真付きの身分証はないなどは当たり前の前提です。

これからの超高齢化社会に、全員取りこぼしなく行政サービスを続けるためには

行政の窓口は縮小こそすれ、無くなることはないのです。

FAXが未だにあるなんて信じられないかもしれませんが、それしか使えない方がいて、必要だから残るのです。

需要は拡大を続けている

生き方の多様化、新しい社会問題。

社会が豊かになったからこそ、更なる利便性を求めて国民のニーズは拡大し続けています。

人も予算もこれ以上なくひっ迫している昨今、公務員の残業は深刻な問題です。

AIにより仕事の総量を減らすのは、喫緊の課題と言えます。

もし公務員を削減するとしたら、採用を減らすのでリストラは起こらない。

年功序列の制度が維持される以上、組織の維持コストとしては

年長者をリストラする方が良いはずです。

しかしそういった仕組みを決めるのも、やはり年長者です。

年長者しかいない議論の場で、自分の首を絞めるような立案・決定がされるでしょうか?

なので現役の公務員に起こることは、定年より早い勧奨退職くらいでしょう。

事務職は機械に取って代わられる代表格という問題

今後なくなるのは受付窓口、一般事務、バスやタクシー運転手など

自動運転技術が完成すればバスやタクシー、トラック運転手はなくなるかもしれません。

また今後AIに取って代わられる職業として、受付窓口、一般事務などが上げられています。

窓口業務はネットで完結、出向くにしてもATMのように機械が相手してくれるようになるでしょう。

一般事務も、データの入力や計算・管理などはAIの得意とする分野なので、職業としての先行きは暗いです。

文明は今までも多くの仕事を葬ってきた

銃が伝来したら刀鍛冶は減り、自動車が世に広まれば馬車はなくなる。

家電量販店の台頭で、商店街の小売店は軒並み廃業。

工場ではその殆どが機械化したため工場勤務者は減り、農業も便利な重機によって人手の削減に成功しました。

その代わりに生まれたのが第三次産業、いわゆるサービス業です。

今までも職業は多くの移り変わりがあり、絶対安定なんて職はないのかもしれません。

最近ではセルフレジが普及し、コンビニやスーパーの店員は目に見えて減っていますよね。

公務員は事務職なのになぜ淘汰されないのか?

AIが得意な分野は、すでにやっていないから

公務員の仕事も外注化が進んでおり、単調な仕事は外注、窓口業務や一般事務なども業務委託が当たり前です。

AIが得意とされている分野の仕事は、すでに公務員はほぼやっていません。

なのでもしAIがやってくれるなら、委託先が人からAIに代わるだけの話です。

では委託した分の仕事が減って、公務員は余っているのか?

まったく余っていません。

前述のとおり国民のニーズは多様化しており仕事は増える一方、

中でも福祉の分野に割かれる人員は年々増しています。

福祉関係の仕事は人の感情なども関係してくるのでAIでは難しいとされており、

超高齢化社会を迎え今後も増えることが予想されます。

このまま公務員を続けていれば安心か?

豊かに暮らせる給料が貰え続けるかは不明

公務員の給料は一般企業の給料を基に決められるので、景気が悪くなれば公務員の給料も当然下がります。

今だって数十年前の水準と比べたら、自由に使えるお金というのは相対的にかなり減っていますし、

どの職業であれ、絶対安心なんてものはありません。

退職後の生活の問題

定年引上げや再任用制度も進み、ある程度年齢を重ねても仕事を続けられるようになりましたが、

結局退職した後に自分は社会に求められる人材なのか?という課題は残ります。

公務員の仕事は専門性が高いので、何処の会社でも経験を活かせるものではなく、

退職後の職探しに困るケースが多いのです。

年金もどれだけ貰えるか、先行きは明るくありません。

投資などの金融知識は必須になる

上がる物価と税金、上がらない給料、止まらない円安。

国際社会での地位もどんどん低くなり、

日本の先行きを明るく見ている人はいないですよね。

公務員を続けるのなら、限られた収入源をいかに守る・増やすといった金融知識は今後必須になってきます。

仮想通貨やFX、株式投資。苦手でも勉強しなくてはなりません。

まとめ

AIの得意な仕事はすでに外部に委託されているため、公務員の仕事はなくならないというのが結論です。

むしろ増えるとさえ、私は考えています。

ただ、仕事というのは時代によって移り変わるのが当たり前です。

なくなることを嘆くより、新しく生まれる技術を喜び、そこに身を置く方が楽しいのではないでしょうか。

いずれにしても万が一の事態にも備えて、自分の価値を高めるキャリア設計を考えたいですね。

 

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