公務員12年目の夏井さんです。
わけあって退職を考えていますが、退職後にかかる税金って誰しも心配ですよね?
今回は、いざ辞めたあとに必要なお金について解説します。
夏井さん
それでは順番に解説しますが、基本的に税金は収入を元に計算されるので、
自分の年収か所得は大体でいいので把握しておいてくださいね!
かかる税金
- 国民年金保険料
- 国民健康保険税
- 住民税
目立ってかかるのは、この3つです。
退職金は、『退職所得』という一般の給与所得とは別の計算になり、よほど数千万単位の収入でなければ課税されないため割愛します。
それぞれ詳しく解説するので、不要な情報は読み飛ばしながら見てください。
国民年金保険料
会社をやめた場合、元々加入していた厚生年金(または共済年金)から国民年金へ切り替えが必要です。
国民年金保険料は一番シンプルで、全員定額。一人1カ月あたりの保険料は16,590円です(令和4年度)。
一括払いすると、少しだけ安くなります。(1年分で3,000円~4,000円程度)
国民年金はもらえる金額が少ない、、とあまり良い印象はないかもしれませんが、
ただ単に保険料が安いので貰える金額も安いというだけで、
納めた金額に対する還元率は現在国民年金が一番高いです。
16,590円を一年納めると約20万円
納めている時はかなり高い金額に思えますが、年20万円を40年納め続けても800万円程度です。
一方で厚生年金や共済年金はその数倍の保険料を納めることになります。
国民健康保険税
国民皆保険のため、必ず加入が必要
日本に住んでいる以上、必ず健康保険は加入をする義務があります。
病院にいかないから保険は入りたいくない、というのは気持ちはわかりますが、できません。
退職後の健康保険は2通りから選べる
- 任意継続制度を利用し、2年間は今までの健康保険に引き続き加入する
- 加入していた健康保険組合等を脱退し、国民健康保険に加入する
上記いずれかを選択することになります。
任意継続制度とは、退職後も会社の健康保険に2年間引き続き加入ができる制度で、退職日から2週間以内に申請が必要と言われています。
国民健康保険は行政が運営する健康保険で、会社の保険等々に属さない人は全員これに加入する『その他』的な役割です。
受けられる給付はほぼ同じなので、保険料が安い方を選べばOKです。
任意継続制度の保険料
働いていた頃の『標準報酬月額』から保険料が決められます。
組合により保険料の計算は違うので、直接組合に確認する必要があります。
参考までに社会保険の仕組みとして、かかる保険料のうち半額は事業者(会社)が負担していました。
言い換えれば、あなたは今まで保険料の半額だけ納めていればよかったのですが、
退職すると会社側の負担はなくなるため、支払う保険料は純粋に今までの倍くらいになります。
なんだやっぱり会社員の方が良いじゃないかと思うかもしれませんが、
会社は、あなたに給料を払って、保険料の半額を肩代わりしてでも存続している(=それ以上の金銭的価値を仕事で生み出しているから雇用されている)ので、別に会社が善意で払ってくれているわけではありません。
国民健康保険の保険料
保険料は前年の収入を元に計算されます。そのため、仮に退職後無収入だったとしても、
いち現役社会人程度の保険料はかかってきます。
金額は自治体によって計算方法や保険料率が違うので、一口に説明ができません。
国民健康保険料の計算機がありますので、これを使用するのがオススメです。
市町村を選び前年の収入額を入力すると、年間保険料額がすぐに計算されます。
一例として、東京都で一番高い保険料の新宿区では
年収400万円、39歳以下独身の方の場合の保険料が年/238,483円
ひと月あたりに均すと、だいたい月2万円程度の保険料がかかります。
保険料は住んでいる自治体次第なので、同じ条件でも保険料は半額以下のところもあります。
なお、国民健康保険税の特徴として、会社の保険のように『家族を扶養する』といった仕組みがないため、
今まで子や妻を扶養に取っていたとしても、今後は1人づつ保険料がかかってきます。
任意継続の場合は扶養者がいても保険料は一律なので、どちらがオトクかは世帯状況によっても異なります。
猶予や減免
国民健康保険は、支払いが難しい場合には少額ずつ分割で納める相談ができます。
また会社都合(リストラ)の退職の場合は保険料が大幅に減免されます。
払えないからといって通知を無視していると預金を差し押さえられますので、放置だけはしない方がいいです。
一方で社会保険の任意継続は、例えば納期限までに納付を忘れてしまうと、すぐに資格を切られてしまいます。
金銭的に余裕がなければ、融通が利く国民健康保険がオススメです。
住民税
住んでいる市・県に収めるのが住民税
住民税は、前年収入に応じて課税されます。
国民健康保険と同様、たとえ無収入になっても1年間は今までどおりの水準で税金がかかるので注意です。
一律の基本料である『均等割』と、収入に応じた『所得割』を足して計算します。
税率は、誤差こそありますが一律10%と考えていいでしょう。
ここ一年で収入が激増(または激減)したとかでなければ、昨年度の住民税の決定通知を見て、およそ同額程度が課税されると考ればOKです。
昨年の資料がなく、それでもザックリは計算したいという方は、もう少し詳しく説明しますね。
住民税の計算方法(所得割)
諸々差し引かれる前の純粋な『収入』から、多少の生活経費を引いた『所得』に直す必要があります。
収入は、源泉徴収票に記載されています。貰っていなければ、会社に言えば貰えます。
それから所得への計算は、シミュレーターが便利なのでオススメです。
例えば年収400万円の場合、所得は276万円となりました。
各種控除として代表的なものは以下のとおりです。
- 基礎控除 …全員一律で引かれるもの 43万円
- 配偶者控除 …一定所得以下の配偶者がいる場合に引かれるもの 33万円
- 社会保険料控除 …健康保険税・年金保険料・介護保険料・雇用保険料等を一年間に納めた金額が引かれるもの
- 医療費控除 …年間で10万円以上医療費の負担があった場合に申告可
- 障害者控除 …自身が障害者手帳を持っている場合に引かれるもの。手帳の等級による
- 扶養 …16歳以上の扶養親族がいる場合に引かれるもの
あとはかなりレアケースだったりするので割愛します。
一例として、基礎控除43万+社会保険料控除70万=113万円が控除されるとします。
控除が引かれたあとの金額を課税所得などと呼びます。(自治体により異なる。)
住民税の通知には、課税のもとになる金額(課税所得)という欄があるはずです。
この課税所得に10%をかけたものが一年間の住民税の『所得割』です。
年収400万円の場合
所得は276万円 ー 各種控除が113万円 = 課税所得は163万円
ここに税率10%+基本料5,000円で、一年間の住民税は16万8千円となります。
↓あわせて読みたい関連記事↓
【やらない人は年間〇万円損してる】簡単ふるさと納税のやり方を解説
まとめ 翌1年分で用意したい税金は、年収400万なら計60万8千円
今回のモデルケース<年収400万円独身>の方の場合、
年金20万円
健康保険24万円
住民税16万8千円
年間でかかる税金は計60万8千円という試算になりました。
急に用意できる金額ではないので、計画的に退職するか、
支払いが難しい場合は各窓口に早めに相談しましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。